2015年10月31日土曜日

HKT48 Team KⅣ 後藤泉

真っ当な職場であれば、新人にまず教えなければいけないのは、
「あなたが担うのはどんな仕事で、具体的にはどんな作業を伴うのか」ということだ。
会社員に限らず、労働に従事するありとあらゆる人間はある一定の役割を担っており、
その対価としてお金を受け取るのである。

アイドルとして芸能界に入った後藤泉は、一体どんな役割を担っていたのか。
正直、これは非常に難しい問題である。
歌が上手い、ダンスが上手い、話が面白い、顔が可愛い、スタイルがいい。
人気の指標、言い換えれば顧客からのニーズは様々であり、
どれをどの程度達成すれば役割を果たせるかという決まりがあるわけではない。
極端な話、全てが揃っていても人気が出ない例だってある。
そんな雲を掴むような状況の中でも不安や弱音を表に出さず、
明るく楽しく可愛く振る舞わなくてはならない、アイドルとはそんな過酷な職業なのだ。

これは私の持論なのだが、例えば歌やダンスやトークなど、
それぞれ必要なスキルはあるだろうが、これらを磨くことで行き着く先は共通で、
「存在感を出すこと」が一番重要なのではないかと思う。
私は趣味でクラシックギターをやっているが、
「上手い演奏」と「感動する演奏」は全く違うものである。
いーちゃんの歌やダンスは、一番上手かったり一番正確なわけではないのだが、
人の内なる感性に訴えかける力は抜群だった。
本人がどう思っているかはわからないが、
いーちゃんは天性の魅力が備わった素晴らしいアイドルだったと私は思う。

前回の記事で言いたいことは言い尽くしたので多くは語らないが、
昨日の卒業公演はアイドル後藤泉の全てが詰まった、本当に立派なものだった。
「もし」が脳裏を過ぎってしまうことはどうしてもあったし、これからもあるだろう。
だが、晴れ晴れとした笑顔で最後の舞台に立ついーちゃんを見て、
次の未来に向かう彼女の気持ちに水を差すようなことは言うまいと反省した。

最後に歌った「約束よ」は、まるでこの日のために作られたようなメッセージソングだ。
そこまで言うのなら、「運命が引き寄せる力」とやらを信じてみようじゃないか。
いつの日か、一段と素敵な女性になった姿を見せてくれるその日まで。
後藤泉の人生に幸あらんことを。Good luck!

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